レーザー距離計 Leica DISTO S910 (ライカ ディスト エス・ナインテン) の製品動画に出てくる最新テクノロジーの徹底解説、後編です!
前編はこちら。
⇒動画にちらっと出てくる横文字の解説 前編 ~ レーザー距離計 DISTO S910 ~
後半の肝は、ASIC (エーシック) とP2Pテクノロジー。それぞれ、Leica DISTO (ライカ ディスト) シリーズ全体を根幹から支える技術と、S910 (エス・ナインテン) 独自の新開発テクノロジーです。
さらに後編では、様々な使い方に対応するための通信方式 (Bluetooth / WLAN / USB) 、屋外測定に必須のファインダー、ほとんどの方がS910本体と一緒にご購入なさるアダプター FTA 360-S について、解説します。
目次
Overview Camera ~オーバービューカメラ~
まずは、大胆に内部構造を見せたスクリーンショットで、左上から反時計回りで各部のご紹介をしていきます。
もっと引いた位置から対象物が映ればいいのに…というご要望にお応えし、オーバービューカメラを搭載しました。従来からあるポイント ファインダーとは別のカメラです。本体前面をご覧ください。オーバービューカメラは、右側に位置しています。
4 x Zoom Camera ~4倍ズーム カメラ~
屋外測定に必須のポイントファインダー。これは、4倍ズームカメラを通して、対象物を画面に映し出しています。2007年発売のDISTO A8に初めてカメラが搭載されたときは、モノクロでした。今、その画面を見てみると、驚くほど画像が粗いですが、それでも当時は感動ものでした。やっとこれで、外でも難なく測ることができる、と。
それから約10年。
鮮やかなカラー大画面で、屋外でも心地よく、ストレスなく、作業ができるようになりました。
【ファインダーの歴史】
モノクロ3倍ズーム | 2007年~2009年 | DISTO A8 |
カラー4倍ズーム | 2009年~2013年 | DISTO D5 DISTO D8 |
カラー4倍ズーム & 解像度アップ | 2013年~現在 | DISTO D510 |
カラー4倍ズーム & さらに解像度アップ & サイズ大 & オーバービュー | 2013年~現在 | DISTO D810 touch DISTO S910 |
DISTO (ディスト) S910は、写真も撮れます。JPEG形式で保存され、USBケーブルで出力します。カメラモードの倍率は、オーバービューモードと2倍の2種類です。
Data Interface Bluetooth® Smart
~データインターフェース Bluetooth® スマート~
Bluetooth®スマートは、Bluetooth® V4.0に対応しており、アプリ 「DISTO sketch (ディスト スケッチ)」や、Windows PC / タブレットに測定値を転送する際、使用します。
【アプリ】
アプリを使うと、撮影した写真の上に、測定値を載せることができますので、現場の状況を”見せる” ことができます。
ぜひ、こちらの動画をご覧ください。
⇒ DISTO sketch アプリ
【Windows】
測定結果をExcelやメモ帳に記録していきたい、という場合には、Windowsデバイスと専用ソフトウェア「disto transfer Blutooth版」を使います。名前は、「ディスト トランスファー」と呼びます。
データが入っていく様子は、こちらの動画をご覧ください。
⇒ Windows 8.1 PCでの使い方 その2) Excelへデータ転送
WLAN ~ワイヤレス ラン~
DISTO S910は、レーザー距離計 DISTO シリーズ初のWLAN搭載モデルです。3次元の測定結果を”座標値”として入手したい、という場合に使います。Windowsデバイスと専用ソフトウェア「disto transfer WLAN版」を使います。
現場にAutoCADやBricsCADがインストールされたPCを持参すると、3次元の測定状況がリアルタイムでCAD上描かれていきます。DXF形式のデータです。この場合、「disto transfer WLAN版」は、CADプラグイン・ソフトウェアの役割を果たします。
測定の様子は、こちらの動画をご覧ください。
⇒ レーザー距離計 DISTO S910: AutoCAD にリアルタイムで測定値と写真を転送
USB Connection ~USB接続~
測定したDXFデータ、写真、スクリーンショットは、USBケーブルで出力できます。本体の充電をする際も、このUSBケーブルを使います。
HDISTO™ ASIC Technology Inside
~DISTO™ 専用のASICテクノロジーを内蔵~
ASICとは、Application Specific Integrated Circuitの略で、特定用途のために設計、製造される集積回路のことです。つまり、DISTO S910には、”DISTOのためだけに” 開発された、専用の集積回路が入っているのです!汎用品を使うことが多い中、弊社はここまでこだわり抜いて、製品を開発しています。
これが、Leica DISTOシリーズの性能を支えています。
高い精度、ロバスト性などといった、ハイレベルのゆるぎない基礎を構築しています。
どのメーカーにも真似できない高みを築いている所以が、ここにあります。
P2P Technology ~ピーツーピー テクノロジー~
Point to Point – 点から点へ。ライカ ディストが長年取り組んできた “幅” 測定の集大成です。DISTO S910 一番の特長である離れた所から「2点間距離」「幅」を測る、「測った場所をDXF形式で出力する」、という3次元測定機能を支えるテクノロジーの総称です。
測れるのは、横に一直線の幅だけではありません。屋根の流れの様な “斜め”、奥行きを持った2点、部屋のレイアウト図など、レーザーが届けばどこでも測れます。
測った場所を3次元情報として記録し、相対的な位置関係を演算処理し、瞬時に距離を算出する。
「そんなに難しいことなんですか?」 と言われますが、その通りなんです。このサイズ、この手軽さにするには!という条件つきですが。そうでなければ、ライカがやらなくても、誰かがやっているはずです。
P2Pテクノロジー。DISTOシリーズ最高峰の名ににふさわしい最先端技術です。
もっと詳しく知りたい方は、動画集ページをご覧ください。
⇒ レーザー距離計 DISTO S910の使い方動画集
「トータルステーション / 光波と、やっていることは同じでは?」と、疑問に思われた方、全くその通りです。精度は落ちますが、写真のように気軽に運べて、操作も簡単。アプリやWindowsタブレットに測定結果を飛ばして記録していくことができる。そんな測定器は、DISTO S910だけです!
Pointfinder with 4× zoom ~4倍ズームのポイントファインダー~
従来から屋外対応モデルに搭載されている、4倍ズームのデジタルポイント ファインダーです。外では、レーザードットが見えませんので、屋外測定には必須の機能です。太陽光は、私たちが思っている以上に明るいのです。
画面に映った画像を頼りに、測定場所に狙いを定めます。ディスト S910は、タッチパネル式です。スマートフォンの様に、指を使ってズームできます。
本体のカメラボタンを押して、まず現れるのが、オーバービューモードです。ワイド表示です。上向きの矢印ボタンを押していくと、1倍、2倍、4倍とズームします。
FTA360-S ~専用アダプター~
DISTO S910 は、本体裏に埋め込まれたスマートベースを開いて、アダプターに取り付けます。これまでのDISTOシリーズにはない、初めての形なので、アダプターもS910専用です。DISTO D810 touch および DISTO D510用のアダプター、FTA360に”S” が付いただけですが、この”S” は、S910のSです!よく見ると、本体取付部分が違います。
DISTO S910をご購入なさる方は、アダプター FTA360-S、三脚TRI70が専用ケースに入ったパッケージをご購入なさる方がほとんどです。
上写真では、男性の足元にさりげなく置かれています。
Fine Adjustment ~アダプターの微調整ネジ~
アダプター FTA360-S の特長は、何といっても微調整ネジです。ネジは本体右上と左下に付いており、両手で縦横無尽に操作いただけるようになっています。
アダプターは本当に必要かな・・・?という疑問があると思いますが、このアダプターは、もうちょっとだけ上、ちょっと左、といった最後の微調整をする際に本領を発揮します。手で合わせようとすると、なかなかうまくいかず、時間がかかってイライラしてしまうのです!ある程度のところまでは、手でぐるっとを回して、最後に微調整ネジで合わせる。これがおススメの使い方です。
ネジは、エンドレスにくるくる、滑らかに動きます。
いかがでしたでしょうか。
他のDISTOシリーズとは一線を画すDISTO S910。
今一度、動画を見てみてください。類似品のない製品を世に問う、ライカの気合を感じていただければ幸いです。
前編はこちら。
⇒動画にちらっと出てくる横文字の解説 前編 ~ レーザー距離計 DISTO S910 ~
レーザー距離計DISTOシリーズは、ホームセンターをはじめ、
インターネットや家電量販店でお取扱いがあります。
また、企業で購入される場合は、機械工具・計測機器関係の商社、
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