レーザー距離計 Leica DISTOシリーズは、多くの建築施工現場で使用されています。今回は、コンクリートがどれだけ入ったかを計測する事例について、NETIS登録されているシステム概要とともにご紹介します。
1. コンクリートの大切さ
普段何気なく出入りしているビルや商業施設、当たり前のように存在する道路や橋には、膨大な量のコンクリートが使われ、私たちの生活を支えてくれています。このコンクリートですが、より耐久性があり、寿命も長くするにはどうしたらいいか、日々研究が重ねられていることをご存知でしょうか。
例えば、地震。地震が起きたとき、建物が倒壊・破損しなければ、多くの人の命が守られます。
例えば、維持管理。モノには寿命があります。けれども良いものを大切に使えば、より永く使うことができ、結果として費用も安く済みます。
より良いコンクリートを!
他にも例えを挙げればキリがありませんが、要するに、「コンクリートの質を高める」ということが、とても大切なのです。
コンクリートは主に、セメント、水、細骨材(さいこつざい)、粗骨材(そこつざい)によって構成されていますが、これらの材料を変えてみる、配合分量を変えてみる、といったことがなされています。
きちんと施工されているか?
また、コンクリートは、硬すぎても軟らかすぎてもいけません。時間が経つと固まりますので、適度な時間で隅々まで行きわたり、かつ空洞などが生じず均一になるように、作業ができないといけません。せっかく素晴らしいコンクリートができても、この施工段階で計画通りにできないと、効果を発揮できないのです。
施工状況の管理はどうなっているのか?
このような性質があるためコンクリート工事では、品質を確保するために、作業時間やコンクリートの硬さチェック、コンクリート使用量などの記録を取ります。そして、後から確認できるように、残しておく必要があります。打設作業をしながら同時進行で、検査、計測作業をします。そのため、コンクリートを何層にも重ねる「打重ね」と呼ばれる工程は、非常に重要なんですが、大変な手間と労力がかかる点が課題でした。
2.打設作業をリアルタイムでデジタル管理
そこで今回、弊社代理店の(株)ムーヴが開発したのが、レーザー距離計 DISTO D3aBTを使ったコンクリートの打込み管理システムです。
「あと、何分で作業を終えないといけないのか?」
「どれくらいコンクリートを入れただろうか?」
「今、何層目の打込みをやっているんだっけ??」
上記のような、現場で必要な情報をタブレットに表示し、レーザー距離計でコンクリートの天井高を常時計測、その結果はBluetoothを使ってタブレットにリアルタイムで転送する、という一体的なシステムです。
下記写真のように、Windowsタブレットとレーザー距離計を専用BOXに入れ、現場に設置します。タブレットには、あらかじめその日の現場作業で決められた計画が入っていますので、作業開始時にボタンを押し、終わったら自動または手動で作業完了となります。
現場監督にとっても、その日の作業が順調に行われているかどうか、気になります。そこで、上記のタブレットに記録された結果は、作業完了後に「親タブレット」と呼ばれる別のタブレットに転送されます。計画通りになされたのか否かが、一目でわかりますので、次の指示を迅速に出すことができます。
報告書も自動作成
さらに測定後は、測定結果が自動編集されレポート出力する事も可能なので、関係各所への報告書提出業務までもが効率化されます。 従来のように、メジャーや棒を使って距離を測定し、結果をメモするよりも、測定結果そのものをWindows タブレットに送ることで、リアルタイムに作業状況を把握することができます。
レーザー距離計にBluetoothで通信する機能があったからこそ、システム化への道筋ができた一例です。
レーザー距離計 Leica DISTO D3aBTとは?
レーザー距離計とは、レーザーを使って距離を測る測定器です。建設現場をはじめ、長さを測るあらゆる業界の方に使用されています。
DISTO D3a BTは、レーザー距離計にBluetoothを搭載したモデルで、測定した値をWindows PCやタブレット転送することができます。2015年で販売終了しましたが、株式会社ムーヴでは本システムのレンタルを行っております。本ページ下部記載のお問い合わせ先へ、ご連絡お願いします。
3.システム概要
本システムは、2種類のシステムで構成されています。
1.コンクリート打込み管理システム
上記で説明したシステムです。必要なものは、下記4つです。
- レーザー距離計 Leica DISTO D3a BT
- Windows タブレット (子タブレット)
- Windows タブレット (親タブレット)
- ルーター
現場に設置するのは上2つ、下2つは現場管理のためのものです。ルーターは、子タブレットから親タブレットにデータを送るために使います。
2.コンクリートの硬さチェック
もう一つ、打設したコンクリートの硬さを調べる機器があります。
正確には「N式凝結管理システム」といい、棒がコンクリートに入った深さから貫入抵抗値を推定するN式貫入試験結果を記録するシステムです。
従来は、棒を落として引き揚げ、コンクリートが付いた部分をメジャーで測定し、記録していました。しかし、これもデジタル化することで、結果が瞬時に分かり、今後の作業予測も立てることができます。
必要なものは、下記の通りです。
右写真の”テスターセット”として、下記が一体となっています。
- レーザー距離計 Leica DISTO D3a BT
- 突き棒
- ガイド管
上記に加え、レーザー距離計を遠隔操作するために、下記を使います。
- Windows タブレット (親タブレット)
- ルーター
テスターセットの管は空洞になっており、その間をレーザーが通るので、距離を測ることができます。上から棒を突き落とした際に、親タブレットからレーザー距離計に測定指令をかけると、コンクリート上部までの距離を測定します。管の長さから逆算して、棒がコンクリートに貫入した深さをシステム上で計算し、記録します。
お問合せ先
本システムは、NETIS登録済です。(KT-160096-A)
http://www.movecorp.co.jp/Products/leica_d3aBT_Implementation.html
導入に関するご相談、お見積などは、下記へ直接お問い合わせください。
株式会社ムーヴ
神奈川川崎市高津区二子5-8-1 第3井上ビル
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email: sales@movecorp.co.jp
http://www.movecorp.co.jp/Products/leica_sales.html
レーザー距離計DISTOシリーズは、ホームセンターをはじめ、
インターネットや家電量販店でお取扱いがあります。
また、企業で購入される場合は、機械工具・計測機器関係の商社、
測量機器の代理店でもお取扱いがございますので、
御社のお取引企業へお問い合わせください。
レーザー距離計の在庫やデモ機がある店舗、
3D Distoやレーザー墨出し器Linoの見積依頼をお考えの方は、
下記をご参考になさってください。