DISTOを比べる

何が違う?Leica DISTO X4 vs S910

新製品 Leica DISTO X4と、Leica DISTO S910。どちらも外でも使えるファインダー付きで、専用アダプターがあり、三次元の座標情報を取得できます。「どこが違うの?」と思われた方もいらっしゃるかもしれません。

今回は、下記内容で、共通点や機能面での違いについてご紹介します。

Leica DISTO S910 と X4 の生い立ち

2015年に登場したLeica DISTO S910は、ライカ製、他社製含め、他のあらゆるレーザー距離計と一線を画す製品です。

DISTOシリーズの最高峰モデルとして、他のDISTOが持つ機能は全て搭載されていますが、特徴はそれだけではありません。

S910の位置づけは、ライカの三次元レーザー測定器 Leica 3D Disto と、レーザー距離計 DISTOシリーズの中間的存在であること。

三次元レーザー測定器 Leica 3D Disto の特徴的な機能である「座標情報の取得」機能。世界で初めてハンディタイプのレーザー距離計に搭載されたのが、S910です。

三次元の座標情報をもとに二点間の距離を計算できるため、場所の制約を受けずに、任意の二点間の距離や幅の測定ができるレーザー距離計です。

 

Leica DISTO X4は、DISTO X3とともに、2018年に登場。

堅牢モデルだったDISTO X310の後継機種として、過酷な環境下での使用を想定して設計されており、2mからの落下試験に合格し、耐じんあい・耐噴流仕様という丈夫なモデルです。

X4 / X3 のみに初搭載された「IMU慣性計測装置」により、アプリを使うことで「壁を測っていくだけで自動的に図ができる」機能を実現しました。

さらに、S910と決定的に異なるのは、オプションのアダプターDST360を付けることで、三次元測定ができること。

レーザー距離計単体で三次元測定が可能な DISTO S910と異なり、「もっと手軽に三次元測定を!」というコンセプトのもと、三次元測定機能を DISTO X4 本体ではなくアダプターに搭載したことで実現しました。

いずれは、任意の2点間や敷地測定をしたいが、まずは価格や機能は最小限に抑えたい、という方のために最適なのが、Leica DISTO X4です。

ディスプレイ

まず、ディスプレイを比較してみます。レーザーよりも、ディスプレイを確認しながら測定することの多い屋外において、レーザー距離計を選ぶ上で重要なポイントの一つが、ディスプレイの大きさや見やすさです。

大きさ

DISTO S910は、本体のサイズもさることながら、ディスプレイはX4の2倍近くの大きさがあります。X4にはない、指によるタッチパネル操作が可能な仕様となっています。
写真では、S910のモニター画面が小さいですが、これは測定後の結果を表示した画面です。測定中は、上の数字部分もファインダー画面になります。

見やすさ

DISTO S910のディスプレイは、美しいカラー液晶画面。一方、X4のディスプレイは、2色カラーでシンプルなアイコン仕様に統一されています。コンパクトなサイズながら直感的に操作できるよう、屋外の建設現場での使用を想定して作られたXシリーズならではのデザインです。

デジタルポイントファインダー画面は、S910、X4のいずれもカラー表示となります。

共通する機能

2点間距離測定(P2P機能)

離れた場所からでも、幅・高さ・奥行き・斜めの距離など、任意の2点間の距離を測ることができる「2点間距離測定」機能。2点間の距離を、3次元の座標情報を用いて算出します。他のDISTOシリーズ、他社製品のレーザー距離計、いずれにも存在しない画期的な機能です。

  • S910:単体で使用可能(多くの方は、アダプターFTA360-S・三脚TRI70と併用)
  • X4:アダプター「Leica DST 360」必須

S910は本体に水平角・鉛直角のセンサーが内蔵されています。X4はそれが本体にはなく、アダプターDST 360に搭載されているため、アダプターが必須という仕組みです。距離と水平・鉛直角により、XYZの3次元情報が取得できます。

S910を選択されるほとんどの方は、単体ではなく、三脚とアダプターがセットになったパッケージをご購入されます。アダプター「FTA360-S」を使ったほうが、対象物に正確にレーザーを当てることができるためです。

この2点間距離測定機能により、これまで多くの問合せがあり、なかなか精度良く、簡単にできなかった「幅」測定が、実現します。測定精度は、10mで±10mm。対象物までの距離に応じて精度が変わるので、近ければさらに精度が上がります。正確に狙ったとして、5mで±5mm、2mで±2mmです。

多角形の面積測定

下図のように、多角形の面積を測ることもできます。「スマートエリア」機能という名称で、最大30点までの点を結び、点で囲まれた面積を計算します。面積と同時に、周長も計算されます。

詳しくは、「レーザー距離計で、多角形の面積を測る」をご覧ください。

DXFデータの出力

測定結果を、DXFデータとして出力し、CADソフトで使うことができます。X4とS910では、出力方法が異なります。

  • S910:本体に保存され、データはケーブル出力。専用アプリ 「Leica DISTO Plan」からも出力可能
  • X4:専用アプリ「Leica DISTO Plan」から出力(有償)

S910

測定結果をDXF形式で保存する「DXF データキャプチャ」機能があります。測定点数は最大30点までに限られますが、20ファイルまで、本体に保存することができます。3次元の、自由な空間測定ができます。

X4

X4には、「DXF データキャプチャ」機能がないため、アプリ「DISTO Plan」から出力します。平面図か立面図になりますので、S910のように、3次元のDXFデータを出力することはできません。

  • 平面図であれば「Measure Plan(メジャープラン)」
  • 立面図であれば「Measure Facade(メジャーファサード)」を選んで測定し、出力します。

アプリ「DISTO Plan」

両機種とも、アプリが使えます。有償機能は、初回30日間は無償でお試しいただけます。詳しくは下記をご覧ください。

レーザー距離計アプリ「Leica DISTO Plan」で出来ること 新製品のレーザー距離計 Leica DISTO X4 / X3 の発売にあわせて公開された、専用アプリ『 Leica DISTO Pl...

Windows版ソフト「DISTO transfer」

Windows端末へリアルタイムに測定値を転送し、XYZ座標を取得することができます。詳しくは下記をご覧ください。

レーザー距離計 Windows PCソフト「DISTO transfer 6.0」の概要 これまで、Bluetooth版 / WLAN版 とに分かれていた無償ソフトウェア「Leica DISTO transfer」が一本化し...

専用アダプターと使う

Leica DISTO X4/S910 のいずれも、専用アダプターがあります。

Leica DISTO X4には、Leica DST 360

Leica DISTO Xシリーズと共に新登場した、Xシリーズ専用のアダプター「Leica DST 360」。メタリック素材で、洗練されたデザインのアダプターです。このアダプターに、離れたところからの2点間距離測定に必要な、水平角・鉛直角センサーが搭載されています。そのため、2点間距離測定にはアダプターの使用が必須になる、ということです。

Leica DISTO S910には、Leica FTA 360-S

専用のアダプター「Leica FTA 360-S」の役割は、S910本体を固定することと、微調整ねじを使って正確に対象物にレーザーを当てることです。S910本体裏に組み込まれたスマート・ベースを広げて使うのが特徴です。

S910は、2点間距離測定に必要な、水平角・鉛直角センサーが本体内部に搭載されていますので、アダプターは必須ではありません。ただし、対象物を正確に狙うために、アダプターの微調整ネジが大変有効なため、ほとんどの方が、アダプターと三脚がセットになったパッケージをご購入されます。

Leica DISTO S910 のみの特徴・機能

ここでは、Leica DISTO X4にはない、S910のみの特徴をご紹介します。

タッチスクリーン

画面をタッチパネルとして使用でき、測定の操作だけでなく、ズームの拡大/縮小ができます。測定ボタンを押したときに、レーザー距離計本体が動いてしまう”手ブレ” の問題も解消できます。(写真:Leica DISTO D810 touch)

スクリーンショット機能

カメラボタンの長押しで、ファインダー画面の写真(スクリーンショット)を撮ることができます。ケーブルでPCに出力することもできます。(写真:Leica DISTO D810 touch)

高さプロファイル

測りたい場所の真下が見えない、モノがある、空間になっていて真下がどこかわからない、という場合に、任意の基準からの高低差を算出する機能です。平面の凹凸や傾斜を簡易測定することもできます。(Leica DISTO X4は、専用アダプターLeica DST 360 ならびに専用アプリと併用し、レベリングを行うことでに二点間の高さ(高低差)が算出ができます。)

高さプロファイルについては、下記のページで詳しくご紹介しておりますのでご参照ください。

高低差測定
レーザー距離計で高低差測定!基準からの高さを測る方法ライカのレーザー距離計 DISTO シリーズで高さを測る機能は2つ。 ハイト(高さ)トラッキング機能と、ハイト(高さ)プロファイル機能...

S910本体のみで測定可能

多くの方が、三脚とアダプターを使いますが、単品のみでも使えるところが、S910の特徴です。徒歩移動が多く、荷物を減らしたいという方は、本体のみで完結するS910がおすすめです。

Leica DISTO X4 のみの特徴・機能

ここでは、Leica DISTO S910にはない、X4のみの特徴をご紹介します。

IP65の耐久性

Leica DISTO X4は、ジェット噴流をかけても水が入らず、微細なホコリも進入しない設計。防水・防塵性の強さを表す国際規格では、IP65。これはDISTOシリーズの中で最高クラスです。ホコリや泥の多い現場で使ったあと、流水で洗うことが可能。さらに、2mからの落下テストをクリアしています。

IPコードについては、下記ページで詳しく解説しておりますのでご参照ください。

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レーザー距離計は防水?保護等級(IPコード)の解説レーザー距離計の展示即売会に行くと、よく聞かれる質問の1つがこちらです。 みなさんは「防水」と聞くと、どのような状態を想像されます...

スマートルーム機能(アプリ)

アプリ 「Leica DISTO Plan」は、DISTO Xシリーズの登場に合わせてリリースされました。その特徴的な機能のひとつが「スマートルーム」。部屋の広さを知りたいとき、間取りを測りたいとき。壁を順番に測定していくだけで、アプリが自動で図を作成します。

これは、Leica DISTO X4に搭載された、IMU慣性計測装置により、レーザー距離計の向きが分かるようになったため、実現した機能です。アプリ自体は、S910でも使えますが、「スマートルーム」機能は、X4 / X3 のみで使用できる機能です。

アプリ「DISTO Plan」(Android版/iOS版)は、
こちらからダウンロード(無料)できます。

※ アプリ「DISTO Plan」は以下のバージョンの端末(タブレット/スマートフォン)でご利用いただけます。アプリをご利用になる端末のバージョンを必ずご確認ください。

  • Android:バージョン 6 / 7 / 8
  • iOS:バージョン 10 / 11

スマートルーム機能については、下記ページで詳しくご紹介しております。

手書き図は書かない!アプリが自動作成!レーザー距離計を使った測定仕事の効率化 新登場のレーザー距離計専用アプリ「DISTO Plan」の中で、画期的な機能のひとつが「スマートルーム」機能です。 部屋の形をス...

画面の自動回転

DISTO X4は、本体の向きに合わせて、画面が自動的に回転します。この機能は、Xシリーズだけの新機能です。もう、測定画面を見るために顔や体を無理に傾ける必要はありません。DISTOの向きに合わせて瞬時に回転する様子を、ぜひ動画でご覧ください!

まとめ

ハンディタイプのDISTOシリーズ最高峰・Leica DISTO S910と、これまでの上位機種より価格を抑えながらも、アダプターやアプリとの組み合わせにより、S910と同じ機能を発揮するLeica DISTO X4。用途に応じて、最適な機種をお選びください。

製品のご購入について

レーザー距離計DISTOシリーズは、ホームセンターをはじめ、
インターネットや家電量販店でお取扱いがあります。

また、企業で購入される場合は、機械工具・計測機器関係の商社、
測量機器の代理店でもお取扱いがございますので、
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