「レーザー距離計の精度はどうなの?」という疑問、初めてご購入を検討されている方は、お持ちだと思います。製品の仕様を見ると、±2.0mm、±1.0mmなどとの記載がありますが、
「本当にそうなの?」「ちゃんと測れるの?」
と思いますよね。また、少しお調べになった方は、あまりの種類の多さに、
「結局どの製品が正確なの?」
という感想をお持ちの方もいらっしゃいます。今回は、レーザー距離計の精度について、どういう基準でメーカー各社の仕様をみれば良いのか、判断基準をお伝えします。
前提
まず、精度表記に関する大前提ですが、ライカ製に限らず、どのメーカーの精度表記も、”直線距離” を測った場合の仕様を記載しています。レーザー距離計を床や壁に当てて、レーザーが当たった所までを直接測った場合の距離です。
連続測定や、離れた所から、間接的に高さや高低差などを測る機能を使った場合は、当てはまりませんのでご注意ください。
精度の基準
レーザー距離計の精度の基準は、国際規格 ISO 16331-1で定められています。例えば、メジャーならJIS規格1級、2級などの基準がありますが、レーザー距離計にはJISの規格はありません。
精度に関する判断基準は、ISO 16331-1適合品であるかどうかです。
- ISO 16331-1 適合品
- それ以外
“それ以外” は、自社基準による精度の明記がなされています。(メーカー各社の自社基準はどのようになっているか分かりません。) 比較するには、基準を揃えた上でないと比較になりませんので、まずは、ISO適合品かどうかをみてください。
現在販売されているレーザー距離計の中には、ISOのロゴを真似たマークを作って販売している製品もありますので、ご注意ください。
ライカ レーザー距離計 DISTOシリーズのロゴは、下記です。
精度
精度は、○○mで±○○mm、というように表されます。”±○○mm” のみ表記されていることもあり、「どれだけの距離を測定しても、その精度なの?」と勘違いしてしまうこともあります。2つめの判断基準は、何mでどれだけの精度か、ということです。
何mで、何mmの精度なのか?
Leica DISTO (ライカ ディスト) シリーズを例に、精度仕様を挙げてみます。
- 10mで±1.0mm (S910 / D810 touch / D510 / X310)
- 5mで±1.5mm (D2 / D110)
- 5mで±2.0mm (D1)
各製品の取扱説明書に、詳しく記載していますので、詳細をご覧になりたい方は、弊社の製品ページからダウンロードしてください。
標準偏差
Leica DISTO (ライカ ディスト)の精度は、平均値ではなく、標準偏差の2倍です。測定精度は、国際標準化機構の推奨項目 ISO/R 1938-1971 に対応しています。
精度証明書
Leica DISTO (ライカ ディスト) には、全製品に精度証明書が同封されています。製品を出荷する前に、1台1台、テストした結果をドキュメントにしたものです。
製品のシリアル番号、試験日、基準に使った機器名など、トレーサビリティがとれるように必要な情報がすべて明記されています。官公庁などから提出が求められた場合でも、ご使用いただけます。
ライカ ジオシステムズ株式会社は、測量機器メーカーのため、精度に関しては非常にシビアなチェック体制、管理体制をとっています。詳しくは、『精度証明書には、何が書いてある?』をご覧ください。
まとめ
レーザー距離計の正確さをみるには、下記2つがチェックポイントです。
- ISO 16331-1 適合品かどうか?
- 何mで、何mm の精度なのか?
ぜひ、これらを踏まえたうえで比較してみてください。