S910

S910使用事例:センサーの位置を座標情報で取得する

レーザー距離計 Leica DISTO S910の活用事例をご紹介します。

手間のかかっていた測定作業が一人で出来るようになり、作業効率が上がっただけでなく、細部を考慮しながら進める測定作業による心理的な負担もなくなりました。

実車走行試験用ロボット(HI-TEC社製)を販売されている株式会社東陽テクニカ 機械技術部の吉澤様にお話を伺いました。

東陽テクニカ 吉澤 朗さん

実車走行試験用ロボット「NaviControl」

吉澤さんが担当されているのは、自動車を、予め定義された軌跡や速度で試験走行し、 悪路、長時間、急ブレーキ、衝突、横転、ポッドテストなどを行う自動制御ロボットシステムです。

■ NaviControl 製品ページ:
https://www.toyo.co.jp/mecha/products/detail/navicontrol.html

ハンドルを操作するステアリングロボット、アクセル/ブレーキを操作するロボット

自動車にロボットを搭載することで、ハンドル、ブレーキ、アクセル、クラッチ、ギアを自動制御し、完全な無人走行によって、ドライバーを危険にさらすことなく走行試験を行うことができます。

走行試験で使用するのは、イタリアのHI-TEC社の実車走行試験用ロボット「NaviControl」。車体の耐久走行試験、衝撃耐性試験の際に、車体に取り付けて自動運転するロボットです。

「実車走行試験用ロボットシステム」製品カタログより抜粋

試験走行中の自動車の位置や速度など、様々な物理的挙動のデータを取得します。

ロボットシステムを構成する機材のうち、車体上部に取り付けるGPSアンテナ2台、車体の揺れを感知するIMU(慣性計測ユニット)1台の位置関係を、試験走行前に記録します。

GPSアンテナやIMUの位置は、車種によって異なるため、車種ごとに測定する必要があります。

車体上部に設置された、2台のGPSアンテナ
車内に設置されたIMU

DISTO S910 導入前の課題:
コンベックスを使用した、2人がかりの測定

GPSアンテナやIMUの三次元の位置関係は、コンベックスを使って2人がかりで測定されていたそうです。

これらの機器は、同一平面上/同一直線状にないため、互いの距離だけでなく三次元的な位置情報の把握が必要です。

手作業で、コンベックスの上に水平器を置きながら垂直に曲がるようにしたり、高さは横から眺めて目視で確認していたんです。一人ではできませんので、どうしても2人以上で作業することになります。

コンベックスの上に水平器!
目視確認だと、測定するのも一苦労ですね・・

車体上部は、フラットな面とは限りません。曲面であることが多く、コンベックスを置いての測定作業は手間がかかります。

コンベックスでの測定作業にかかる時間は、1回につき、2人で20~30分。 さらに屋外で測定作業するケースもあります。

普通車で、晴れていればまだ良いものの・・雨天の場合は大変です。さらにトラック、バスなど大型車の場合は、手が届かない場所も多く高所作業となり、かなり危険を伴う作業になっていました。

Leica DISTO S910 導入の効果

Leica DISTO S910 を導入される
決め手は何でしたか?

DISTO S910は、距離や高さを測れるだけでなく、離れた場所から、レーザー測定によってセンサーの位置を座標情報で取得でき、ソフトウェアに出力できることが魅力でした。

DISTO S910導入後の測定作業は、

を使い、車の前輪、後輪、車体上部に設置したGPSアンテナ2台、車内に設置したIMU1台の、計5点の位置座標を取得、ソフトウェアに出力します。

レーザー距離計 DISTO S910_EXTERIOR_PACKAGE
S910 パッケージ

GPSアンテナ、IMUの位置関係は、S910の「2点間距離測定」機能で測定。対象となる場所をレーザー測定していきます。

toyo_S910_P2P
S910 測定画面
S910_P2P
S910 測定画面(十字部分が測定点)

GPSアンテナは、前後の車軸に対して平行に設置する必要があるため、前輪・後輪の中心(P1,P2)をX-Y軸に設定しています。

GPSアンテナは円形なので、アンテナの中心部にレーザーが当たらないため、自作の補助ターゲットを使って測定。

専用ソフトウェア DISTO transfer に、測定結果が次々に転送されていきます。Excelへの出力もボタン一つで可能です。

ターゲットを測定しているため、GPSアンテナ・IMUとのオフセット値を考慮します。ターゲットによるオフセット値は、S910で座標取得後に計算し、Excelへ入力しています。

Excelでの作業も、測定後すぐに実施可能

S910を導入したことで、
どんなメリットを感じていらっしゃいますか?

1人で測定作業ができ、作業時間も最大15分と、これまでの2/3~1/2になり、精度も向上しました。コンベックスでの測定時には常に懸念していた「値が正しいのかどうか?」という不安もなくなったことが大きいです。

部署内の他のメンバーも同じ作業が出来るよう、作業マニュアルを作成。 測定作業への精神的な負担がなくなったことが、担当者としては一番嬉しいとのことです。

作業マニュアルを作成したので、私でなくても部署のメンバーが測定できるのですが、みんな積極的に作業しています。それほど、測定に対する抵抗がなくなりましたね。

貴重なお話をお聞かせ頂き、ありがとうございました。

会社情報

会社名:株式会社東陽テクニカ
従業員数:523名(2019年9月30日現在)

計測機器の輸入販売と自社開発製品の提供を行う。情報通信、自動車、環境エネルギー、EMC(電磁環境両立性)、海洋開発、ソフトウェア開発、ライフサイエンスなどの分野で海外の最先端の計測機器・技術を紹介している。

ホームページ: https://www.toyo.co.jp/

「自動車計測ポータル」

自動車に関する最新計測技術の“情報発信プラットフォーム”。電動化、自動運転などの先端技術領域や、安全性、品質、信頼性分野におけるソリューションや、技術コラムなど、自動車開発に携わるエンジニア向けに役立つ情報を発信しています。

東陽テクニカ「自動車計測ポータルサイト」:
https://www.toyo.co.jp/solution/car/


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