精度

進化の歴史は、幅測定の歴史

ライカのレーザー距離計 DISTOシリーズは、1993年に世に出て以来、現在も進化の途上です。DISTOの進化の歴史は、”幅測定の歴史” といっても過言ではありません。

進化

順を追って、その過程を見ていきましょう。

Step 1. ピタゴラス測定 (1995年)

三平方の定理、別名ピタゴラスの定理。下記の方程式です。

ピタゴラス

ライカ製に限らず、多くのレーザー距離計に『ピタゴラス機能』が搭載されています。
横幅や高さなど、測りたい場所(下図の赤線部分)の正面に立ち、端と直線距離を測定すると、算出されます。

disto_ピタゴラス

この機能が追加された当時は、離れた場所から長さが測れる画期的な方法!ということで、ずいぶんと盛り上がりました。

しかし、ご使用になった方はお分かりだと思いますが、実際仕事に使用するとなると誤差が大きく、人によっては20cm以上にもなる場合があります。練習すれば、誤差を最小限に抑えることができますが、あまり現実的ではありません。

そのため現在は、ピタゴラス機能のご使用はお奨めしていません。詳しくは、下記をご覧ください。あらゆるレーザー距離計にピタゴラス機能が付いているので、ライカのレーザー距離計にもついていますが、高さや横幅測定には、これから紹介する機能をご使用ください。

レーザー距離計のピタゴラス測定は誤差が大きい!正しい使い方と代替方法「ピタゴラス機能、付いてます!」 「ピタゴラス機能で、離れた所からいろんな場所が測れますよ!」 これまで、このような話が多くなさ...

 

Step 2. 傾斜センサー (2006年)

X310 stairs inclination over the head

弊社では、ピタゴラス機能の代替方法を模索し始めました。そこで追加されたのが、「傾斜センサー(チルトセンサー)」です。値の算出方法はピタゴラスの定理を用いていますが、直線距離の代わりに傾斜角を用いることにしました。

この傾斜センサーを活用し、「高さ」や「高低差」は、斜距離と傾斜角から、高精度で測定することができるようになりました。以下に、代表する機能をご紹介します。

1.高さ トラッキング機能

disto_高さトラッキング

上と下の2箇所を測定すると、高さが算出されます。1点目は、斜距離(1)と傾斜角(α)を測定。2点目は、傾斜角(β)のみを測り、高さを求める機能です。

上下に動かすため、回転軸さえブレなければ、ピタゴラス機能よりも高い精度で値が得られます。機能の詳細は、『高さトラッキング機能とは?』をご覧ください。

対応機種: X310 / D510 / D810 touch / S910

 icon-key  値の算出には、ピタゴラスの定理を用いていますので、測定対象の正面に立つことが必要です。

2.水平距離機能

disto-bro-smart-horizontal-mode-ill-1203

傾斜角を使うと、対象物までの直線距離も簡単に算出できます。測りたい場所に向けてレーザーを斜めにあて、1回測定するだけです。下記の場合に重宝します。

屋外の例: 塀越しの建物までの距離
室内の例: 棚などがあり、壁までの距離がわからない場合

機能の詳細は、『水平距離測定とは?』をご覧ください。

対応機種: X310 / D510 / D810 touch / S910

Step 3. 写真を使った測定 (2014年)

DISTO d810-touch_タッチパネル傾斜センサーを使っても、横幅測定は依然、ピタゴラス機能を使うしかありませんでした。

これを解決したのが、『写真を使った測定』です。2014年12月発売のDISTO D810 touch に加わった、新機能です。

対象物までの距離を測定し、あとは画面に表示された矢印を、幅に合うようにスライドさせるだけです。直線距離と写真のピクセルを使って、距離を算出しています。

d810_photo
  • カメラ搭載
  • タッチパネルを採用

この2点により、長年の懸案だった横幅測定が簡単にできるようになりました。機能の詳細は、『写真を使った測定とは?』をご覧ください。

対応機種: D810 touch / S910

 icon-key  値の算出には、ピタゴラスの定理を用いていますので、測定対象の正面に立つことが必要です。

icon-key  画面の中に、測りたい幅を収める必要があります。画面に入りきらない場合は、対象物から離れてください。

Step 4. P2Pテクノロジー: 座標測定 (2015年)

S910_KEYVISUAL_PTP_V2

横幅測定は、写真を使った測定で解決!と思われましたが、2015年4月、これまでの概念を超えるレーザー距離計を世に送り出しました。

測定点を3次元座標化して、距離を算出する DISTO S910です。

横幅はもちろん、斜めの距離、奥行きがある2点の長さ、多角形の面積など、従来のレーザー距離計で測れなかった多くの場所が、測定できるようになりました。

  • レーザーが当たれば、どこでも測定可能
  • 対象物の正面に立たなくても良い
  • 画面に対象物が収まりきらなくても良い

機能の詳細は、『2点間距離測定機能とは?』をご覧ください。

さらに2018年5月、このP2P機能が新しいアダプター「DST360」に搭載され、新製品のLeica DISTO X4 および X3でも、使えるようになりました。室内で使いたいかたは、DST360 & X3の組み合わせ、外でも使う方は、S910 か DST360 & X4 の組み合わせでお使いください。

 

対応機種: S910 / DST360 & X4 / DST360 & X3

まとめ

ピタゴラス機能→傾斜センサー搭載→写真を使った機能→座標測定。レーザー距離計 Leica DISTO 進化の歴史は、幅測定をいかに簡単に、確実に行えるようにするか、という歴史でもあることがお分かりいただけたと思います。

ピタゴラス機能に代わる新しい方法で、確実な測定を行ってください。