精度

直線距離の精度 計算方法

レーザー距離計 Leica DISTOシリーズは、レーザー距離計の国際規格「ISO 16331-1」に基づき、この内容に適合した製品を発売しています。直線距離を測ったときに生じる誤差についても、各製品ごとに、マニュアルに記載しています。

今回は、その誤差を計算する方法について、解説します。「直線距離」を測った場合についての解説ですので、下記機能の誤差を知りたい場合は、それぞれのページをご覧ください。

前提

  • 測る距離が長くなるほど、誤差が大きくなる
  • オペレーション誤差は含まない
  • 機種ごとに計算式が異なる
  • マニュアルに詳細記載

Leica DISTO D2 の場合

ではまず、室内用モデルの「Leica DISTO D2」を使って解説していきます。マニュアルのテクニカルデータ欄には、下記のように記載されています。

適切な条件での測距精度 * :1.5 mm ***
不適切な条件での測距精度 ** :3 mm ***

3種類のアスタリスクが付いていますが、* / ** は、測定環境の条件を記しています。測定環境によって誤差が変わってくるため、どちらになるのかを、まず判断してください。

* 適切な条件とは、白の反射板(白塗りの壁)、周囲に強い光がなく、一般的な生活可能範囲の温度状態です。
** 不適切な条件とは、反射率が低過ぎる/高過ぎる、周辺の光が強過ぎる、温度が温度範囲の最大値、最小値にある状態です。

3つのアスタリスクの付記に、計算値が出てきます。

*** 公差は95%の信頼性で、0.05mから5mの範囲に適用されます。
適切な条件下で使用した場合の許容値は、5mを超える距離では、0.10mm/mの交差が発生する場合があります。
不適切な条件下で使用した場合の許容値は、5mを超える距離では、0.15mm/mの交差が発生する場合があります。

まず、「公差は95%の信頼性で、」というのは、「精度は、平均値ではなく、標準偏差の2倍です。」という意味です。山形グラフのグレーの部分が約95%のため、このように記載しています。

「0.05mから5mの範囲に適用されます。」というのは、「5mまでは、記載してある精度です。」ということです。つまり、

  • 適切な条件での測距精度 * :1.5 mm *** → 最大5mまで!
  • 不適切な条件での測距精度 ** :3 mm *** → 最大5mまで!

5m以上の場合は、1mあたり下記の値が「追加で」誤差が発生する場合があります。

  • 適切な条件下:1mあたり、0.10mm
  • 不適切な条件下:1mあたり、0.15mm

具体的に、計算してみましょう。

10mの場合

  • 適切な条件下:5mまでの誤差 + 5~10mまでの誤差 = 1.5 mm + 0.10mm × (10m-5m) = 2.0mm
  • 不適切な条件下:5mまでの誤差 + 5~10mまでの誤差 = 3 mm + 0.15mm × (10m-5m) = 3.75mm

55mの場合

  • 適切な条件下:5mまでの誤差 + 5~55mまでの誤差 = 1.5 mm + 0.10mm × (55m-5m) = 6.5mm
  • 不適切な条件下:5mまでの誤差 + 5~55mまでの誤差 = 3 mm + 0.15mm × (55m-5m) = 10.5mm

Leica DISTO D810 touch の場合

もう1つ、屋内外兼用 D810 touchの例を挙げます。考え方はD2と同じですが、D810 touchの場合は、距離に応じて発生する誤差の値が異なります。(D810 touchのマニュアル)

標準測定公差 *  :± 1.0 mm ***
最大測定公差 **  :± 2.0 mm ***

* 以下の条件で適用されます : 反射率 100% ( 白塗りの壁 )、強い光がないこと、25 ℃
** 以下の条件で適用されます : 反射率 10 から100%、強い光があること、温度 -10 ℃から 50 ℃
*** 公差は、95% の信頼性で,0.05m から 10m で適用されます。最大公差は、10m から 30m では0.1mm/m、30m から 100m では 0.20mm/m、100m以上の距離では 0.30mm/m 発生することがあります。

D810 touchは、D2より測定能力が高いので、仕様の精度は、下記の通りです。

  • 標準測定公差(適切な条件下):10mまで± 1.0 mm
  • 最大測定公差 (不適切な条件下):10mまで± 2.0 mm

10m以上の場合、追加で発生する可能性がある誤差は、

  • 10m から 30m では0.1mm/m
  • 30m から 100m では 0.20mm/m
  • 100m以上の距離では 0.30mm/m

では、具体的に計算してみます。

15mの場合

  • 標準測定公差(適切な条件下):10mまでの誤差 + 10~15mまでの誤差 = 1.0mm + 0.10mm × (15m-10m) = 1.5mm
  • 最大測定公差 (不適切な条件下):10mまでの誤差 + 10~15mまでの誤差 = 2.0mm + 0.10mm × (15m-10m) = 2.5mm

40mの場合

  • 標準測定公差(適切な条件下):10mまでの誤差 + 10~30mまでの誤差 + 30~40mまでの誤差
    = 1.0mm + 0.10mm × (30m-10m) + 0.20mm × (40m-30m) = 5.0mm
  • 最大測定公差 (不適切な条件下):10mまでの誤差 + 10~30mまでの誤差 + 30~40mまでの誤差
    = 2.0mm + 0.10mm × (30m-10m) + 0.20mm × (40m-30m) = 6.0mm

120mの場合

  • 標準測定公差(適切な条件下):10mまでの誤差 + 10~30mまでの誤差 + 30~100mまでの誤差 + 100~120mまでの誤差
    = 1.0mm + 0.10mm × (30m-10m) + 0.20mm × (100m-30m) + 0.30mm × (120m-100m) = 23.0mm
  • 最大測定公差 (不適切な条件下):10mまでの誤差 + 10~30mまでの誤差 + 30~100mまでの誤差 + 100~120mまでの誤差
    = 2.0mm + 0.10mm × (30m-10m) + 0.20mm × (100m-30m) + 0.30mm × (120m-100m) = 24.0mm

まとめ

いかがでしたでしょうか。マニュアルに記載してある値の意味と、計算方法はお分かりいただけたでしょうか。

こちらの計算結果は、あくまでも計算上の誤差です。対象物に正確にねらいを定めること、本体を固定して測定することが、精度向上につながります。

また、屋外では、太陽光の影響により、測定できる距離が大きく変動します。日中晴天の場合、屋外モデルでも、60m前後が最大で測定できる距離になりますので、ご注意ください。対象物が日陰であったり、曇天、夕方などの場合は、100m以上の測定が可能です。

ご質問・ご不明な点がございましたら、「お問合せ」ページより、ご連絡お願いいたします。

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