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どれだけ正確に測れる?精度は?

「レーザー距離計の精度」は、どの製品でも、マニュアルの仕様欄に記載されていますが、これは直線距離を測った時の精度です。直線距離を測るのが最も精度が高く、離れた場所から間接的に高さや幅を測る場合は、それに準じます。

例えば、直接測れなくても水平距離を算出する「水平距離」測定機能。対象物に向かって斜めに1回測るだけで、対象物までの水平距離を計算する機能です。

この機能で測った値は、斜距離と傾斜角から計算した値です。マニュアルに記載されいている「±1.0mm」という精度ではありません。精度は、斜距離の長さや傾斜角の緩やかさによって変動します。

ここでは、下記5種類の機能について、おおよその精度を図解してみました。

  • 直線距離
  • 水平距離測定、高さ・高低差測定などの、傾斜センサーを使った機能
  • D810 / S910の写真測定
  • S910の2点間距離測定
  • ピタゴラス機能

「そもそもレーザー距離計の性能はどうなの?」という方は、下記をご覧ください。
『レーザー距離計、どのメーカーが正確?』

直線距離

あらゆる機能の中で、最も精度が高いのが、測りたい場所の片方にレーザー距離計を当てて、直接両端を測る直線距離測定です。

  • 10mで±1.0mm

これが、Leica DISTOシリーズの最高精度です。対象機種は4つ。

Leica DISTO X310
Leica DISTO D510
Leica DISTO D810 touch
Leica DISTO S910

次に精度が高いモデルは、室内用のアプリ対応2機種。

  • 5mで±1.5mm

Leica DISTO D2
Leica DISTO D110

DISTOシリーズのエントリーモデルで、昨年11月にリリースしたLeica DISTO D1は、最も手ごろな価格で精度は5mで±2.0mm。Bluetooth付きなので、アプリも使えます。

高い精度で測りたいという場合は、まず直接測ることができる環境づくりをご検討ください。

水平・高低差

そうはいっても、直接測れない場合が多いんです…という方におすすめなのは、傾斜センサー付きのモデルです。傾きの角度と斜距離から、三平方の定理を使って水平距離や高さを計算します。

具体的な機能としては、3つあります。

水平距離測定をする場合は、本体裏面に折りたたまれている「エンドピース」を下記の様に伸ばしてください。測定基準が自動的にエンドピースの先端からになりますので、より正確に測れます。

高さや高低差を測定する場合は、三脚とアダプターの使用をお奨めします。レーザー距離計本体を上下に動かして測りますので、回転軸を固定し、安定して回すためです。

三脚は1/4インチネジのカメラ用ですが、アダプターは機種によって複数の選択肢があります。下記をご参考になさってください。

三脚: 『ライカ レーザー距離計用 三脚』
アダプター: 『専用アダプター、どれを選べばいい?』

 

 

レーザー距離計には、「ピタゴラス測定」という機能が多くのモデルに付いていますが、上記の傾斜センサーを使った測定の方が精度が高く、信頼性の高い値が得られます。

対象物までの距離や、レーザー距離計をどれだけ斜めに傾けるかによりますが、誤差はおおよそ、

  • 数mm~数cm

の範囲です。傾き角度が大きければ大きいほど、誤差も大きくなりますので、鋭角になる場合は後ろに下がると少し精度が上がります。対象機種は4つです。

Leica DISTO X310
Leica DISTO D510
Leica DISTO D810 touch
Leica DISTO S910

 

写真測定

レーザー距離計 進化の歴史は、”幅測定の歴史” でもあります。横幅を離れた所から正確に測りたい、という要望に応えるべく開発されたのが、写真を使った測定です。

写真のピクセルと、対象物までの距離から、三平方の定理を使って長さを計算します。タッチパネル式画面なので、1回写真を撮った後は矢印をスーッと動かして、幅に合わせます。

誤差は、画面ズームににより変動しますが、おおよそ、

  • 数mm~数cm

です。詳しい使い方は、『写真を使った測定とは?』をご覧ください。対象機種は2機種です。

Leica DISTO D810 touch
Leica DISTO S910

 

2点間距離

どこからでも、どんな場所でも、レーザーが当たれば長さが分かります。誰でも気軽に、自在に、測りたい場所を測ることができる「Leica DISTO S910」。精度は、対象物に近ければ近いほど高く、

  • 2mで±2.0mm
  • 5mで±5.0mm
  • 10mで±10.0mm

です。使い方は『2点間距離の測り方 – Leica DISTO S910』をご覧ください。

 

ピタゴラス測定

先ほども書きましたが、「ピタゴラス機能付き!」と謳ったレーザー距離計は、数多く出回っています。けれども実際、その機能を使って仕事に耐えうる精度で測定することは、ほぼ不可能です。

人によっては、数十cmの誤差が生じてしまうため、弊社では使用をお奨めしていません。用途を伺ったうえで、下記の機能をお奨めしています。

高さ測定 ⇒ 高さトラッキング機能 or ハイトプロファイル機能
横幅測定 ⇒ 写真を使った測定

なぜ、ピタゴラス機能をおすすめできないのか。その理由は、『レーザー距離計のピタゴラス測定、理想と現実』をご覧ください。

 

レーザー距離計、どのメーカーが正確?

「レーザー距離計の精度はどうなの?」という疑問、初めてご購入を検討されている方は、お持ちだと思います。製品の仕様を見ると、±2.0mm、±1.0mmなどとの記載がありますが、

「本当にそうなの?」「ちゃんと測れるの?」

と思いますよね。また、少しお調べになった方は、あまりの種類の多さに、

「結局どの製品が正確なの?」

という感想をお持ちの方もいらっしゃいます。今回は、レーザー距離計の精度について、どういう基準でメーカー各社の仕様をみれば良いのか、判断基準をお伝えします。

 

前提

まず、精度表記に関する大前提ですが、ライカ製に限らず、どのメーカーの精度表記も、”直線距離” を測った場合の仕様を記載しています。レーザー距離計を床や壁に当てて、レーザーが当たった所までを直接測った場合の距離です。

連続測定や、離れた所から、間接的に高さや高低差などを測る機能を使った場合は、当てはまりませんのでご注意ください。

 

精度の基準

レーザー距離計の精度の基準は、国際規格 ISO 16331-1で定められています。例えば、メジャーならJIS規格1級、2級などの基準がありますが、レーザー距離計にはJISの規格はありません。

精度に関する判断基準は、ISO 16331-1適合品であるかどうかです。

  • ISO 16331-1 適合品
  • それ以外

“それ以外” は、自社基準による精度の明記がなされています。(メーカー各社の自社基準はどのようになっているか分かりません。) 比較するには、基準を揃えた上でないと比較になりませんので、まずは、ISO適合品かどうかをみてください。

現在販売されているレーザー距離計の中には、ISOのロゴを真似たマークを作って販売している製品もありますので、ご注意ください。

ライカ レーザー距離計 DISTOシリーズのロゴは、下記です。

 

 

 

 

 

精度

精度は、○○mで±○○mm、というように表されます。”±○○mm” のみ表記されていることもあり、「どれだけの距離を測定しても、その精度なの?」と勘違いしてしまうこともあります。2つめの判断基準は、何mでどれだけの精度か、ということです。

  • 何mで、何mm の精度なのか?

 

以下からは、Leica DISTO (ライカ ディスト) シリーズの例を挙げます。

Leica DISTO (ライカ ディスト) の精度仕様は、下記のとおりです。

  • 10mで±1.0mm (S910 / D810 touch / D510 / X310)
  • 5mで±1.5mm (D2 / D110)
  • 5mで±2.0mm (D1)

各製品の取扱説明書に、詳しく記載していますので、詳細をご覧になりたい方は、弊社の製品ページからダウンロードしてください。

標準偏差

Leica DISTO (ライカ ディスト)の精度は、平均値ではなく、標準偏差の2倍です。測定精度は、国際標準化機構の推奨項目 ISO/R 1938-1971 に対応しています。

 

精度証明書

Leica DISTO (ライカ ディスト) には、全製品に精度証明書が同封されています。製品を出荷する前に、1台1台、テストした結果をドキュメントにしたものです。

製品のシリアル番号、試験日、基準に使った機器名など、トレーサビリティがとれるように必要な情報がすべて明記されています。官公庁などから提出が求められた場合でも、ご使用いただけます。

ライカ ジオシステムズ株式会社は、測量機器メーカーのため、精度に関しては非常にシビアなチェック体制、管理体制をとっています。詳しくは、『精度証明書には、何が書いてある?』をご覧ください。

 

まとめ

レーザー距離計の正確さをみるには、下記2つがチェックポイントです。

  • ISO 16331-1 適合品かどうか?
  • 何mで、何mm の精度なのか?

ぜひ、これらを踏まえたうえで比較してみてください。