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チルトセンサーのキャリブレーションは、音付きで!

ライカのレーザー距離計 DISTOシリーズには、本体の傾き具合を検出するチルト(傾斜)センサー付きモデルが4種類あります。

  • Leica DISTO X310
  • Leica DISTO D510
  • Leica DISTO D810 touch
  • Leica DISTO S910

このセンサーは、水平かどうか、何度傾いているかを知りたいときにも使いますが、離れた所から高さや高低差を測る際にも使っています。

チルトセンサーについて詳しくは、『チルト(傾斜)センサーとは?』をご覧ください。

このセンサーが正しく動作しているかどうか、チェックする方法を “キャリブレーション” と言います。本体を水平に置いたり、回転させたりして、精度を確かめます。

今回は、このキャリブレーション方法をご紹介します。

「最近、若干精度が落ちてきたような…」
「しばらく使っていない…」

という時に、お試しください。

 

ビープ音の設定

キャリブレーション中は、ピッピッピッ、という音がなり、次の順序へ進むようになっています。

そのため、音を消していると、うまく行かない場合があります。キャリブレーションを始める前に、設定画面からビープ音をオンにしてください。♪のマークが目印です。

 

キャリブレーションの手順

では、実際にキャリブレーションを行ってみましょう。下記モデルの場合を解説します。

  • Leica DISTO D510
  • Leica DISTO D810 touch
  • Leica DISTO S910

※レーザー距離計 DISTO X310をお持ちの方は、後半の「DISTO X310の場合」ご覧ください。

  1. まず、設定画面からキャリブレーションモードを選びます。
  2. すると、下記画面になります。レーザー距離計を水平なテーブルや床の上に置き、DISTボタンを押します。
  3. 次は、同じ場所で、レーザー距離計本体のみ180°回転させます。距離計置き位置を上下逆にする、ということです。そして、DISTボタンを押します。
  4. 今度は、本体を台と垂直に立てます。レーザーが出ている方を天井に向け、DISTボタンを押します。
    (一部マニュアルには、レーザーが出ている方を下に向ける絵が載っていますが、どちらでも構いません。)
  5. 先ほどと同様に、立てたまま180°回転させて、DISTボタンを押します。
  6. 最後に、チェックマークが出れば無事完了です。

各工程は、マニュアルに画像とともに載っていますので、参考にしてください。下記は、D810 touch の例です。

DISTO X310の場合

レーザー距離計 DISTO X310は、他モデルの様に画像が表示されません。文字であらわされるので、少しわかりにくいかもしれませんが、マニュアル通りに進んでいただければ、簡単にできます。

手順の流れは、上記同様です。下記マニュアルを参考に、お試しください。

光学ファインダー、デジタルファインダーの違い

レーザー距離計の赤いレーザードットは、日中、外では見えません。そのため、ライカのレーザー距離計には、”デジタルファインダー” を搭載した機種が3つあります。

  • Leica DISTO D510
  • Leica DISTO D810 touch
  • Leica DISTO S910

「外ではレーザーが見えない」=「測定できない」

という現実を前提に、ライカでは製品づくりを続けてきました。その答えが、”デジタルファインダー” なのです。

ファインダーと言っても、現在市場には、2種類のファインダーがあります。

  1. デジタル ファインダー
  2. 光学ファインダー

ライカも10年前は、光学ファインダー搭載モデルを販売していました。しかし、下記に記した理由により、デジタルファインダーに切り替えています。

外で測る機種をお探しの方は、”ファインダー” という言葉だけでなく、それが “デジタル” なのか、”光学” なのか、見てみてください。

 

ファインダーは、2種類

現在販売されているレーザー距離計には、デジタルファインダーと光学ファインダーがあります。違いは、何でしょうか。

1.デジタル ファインダー

その名の通り、対象物を画面の上にデジタルで映し出す方法です。画面中央に十字の印 (クロスヘアと呼びます) があり、レーザードットが画面に見えなくても、「そこにレーザーが当たっています」ので、画面を見ながら、ボタン操作をし、測定をすることができます。

下記は、ディスプレイの表示イメージです。

 

2.光学ファインダー

光学ファインダーは、15年程前に採用した古い技術によるレーザー位置視認装置です。簡単に言うと、本体に組み込まれた望遠鏡をのぞきこんで測る方法です。

光学ファインダー “内蔵型” は、下記の写真のように、レーザー距離計側面についているのぞき穴から、対象物を見ます。そして、測定ボタンを押します。

写真でもお分かりのように、無理な体制でのぞきこむ必要がありますが、これでボタン操作をするは至難の技と言えます。これは、15年程前の技術的限界の様子と見ていただければと思います。

※ライカはデジタル化をしていますので、光学ファインダーの販売は、10年弱前に終了しています。

デジタルファインダー、光学ファインダーが開発、実用化されるより前に、発売発売されていたのは、磁石で望遠鏡をレーザー距離計に取り付けるタイプの外付けファインダーです。

高品質レンズを採用しいたため、後に販売される内蔵型よりもはっきり対象物が見え、測定ボタンも出来ると評価の高かったアクセサリーです。

しかし、この取り外し式のアダプターは光学であったことと、落下や紛失リスクが常にあり、光学式ファインダーに切り替わることになりました。

デジタルファインダーと光学ファインダーを比較すると、デジタルファインダーの方が、圧倒的に優位です。理由は、下記3つ。

  • 画面を見ながら測定できるため、使いやすい
  • 測りたい場所がはっきり見える
  • 本体だけ持って行けばよく、携帯性が高い

 

なぜ、デジタルファインダーなのか?

デジタルファインダーは、光学ファインダーの欠点を克服すべく、新たにライカが開発した新技術です。その欠点とは、

  1. 光学ファインダーをのぞきながらのボタン操作はしづらい!
  2. 光学ファインダーでは、結局測りたい場所が見えない!

既に説明した通り、”のぞきながら測定する” ことの大変さは、下記写真が、全てを語っています。光学ファインダーは、本体の側面についています。距離計が横向きになるので、その状態でボタンを押さなければならず、ブレたり、ボタンが押せなかったりします。

もう一つの、”結局測りたい場所が見えない!”というのは、レンズを通して見える範囲が小さく限られているため、屋外では特に、「結局どこなの?」という事態がよく発生するということです。

分かりやすい目印があればまだいいですが、その目印をレンズ内に捉えるにも一苦労…という場合も少なくありません。

一方のデジタルファインダーは、対象物をカラーで画面に表示します。1倍、2倍、4倍までズームでき、カメラモニターのようなイメージです。下記の写真は、DISTO D510のディスプレイ表示の様子です。

DISTO D810 touch / S910 のデジタルファインダーは、画面が大きく(3.2インチ)、解像度も高く、タッチパネル式で、画面のスクリーンショットもできます。

 

ライカはなぜ、ファインダー搭載機を作り続けているのか?

ライカがファインダーモデルを作り続け、何種類もラインナップを揃えているのは、屋外使用が前提とされる測量機器メーカーであることが大きく関係しています。

「外ではレーザーが見えない」=「測定できない」

ではなく、どうしたらできるのか。レーザー距離計は、測量機ではないので、誰にとっても使い勝手がいいツールにするには、どうしたらいいのか。

この試行錯誤の積み重ねが、そのままファインダー進化の歴史となりました。

屋外測定に関する問い合わせは、このようなことが多いです。

・レーザードットが見えないのだが、どうすればいいのか。
・測定範囲が40m (50m…等)の製品なのに、外では測れないのか。
・値段で選ぶべきではなかった… (ライカのデジタルファインダー付きに買い替えるよ。)

 

世界初のデジタル ファインダー

2007年、何度かの光学ファインダー改良の後、世界で初めてデジタルファインダーを搭載した『Leica DISTO A8』を発売しました。

今となっては、白黒のモニター表示に誰も驚かれなくなりましたが、「画面に映る!」「測定が格段しやすくなった!」ということで、長さを測る仕事のワークフローに変化が起こり始めました。

 

世界初のカラー版、デジタル ファインダー

2年後の2009年には、カラー版のデジタルファインダーを搭載した『Leica DISTO D5』『Leica DISTO D8』を相次いで発売しています。

カラーになると、またガラリと見え方が変わり、到底白黒には戻れないというくらいに進化した様子がうかがえます。

このあと、2013年にDISTO D5の後継機種として、解像度が高い現行モデル『Leica DISTO D510』、2014年には初のタッチパネル式レーザー距離計『Leica DISTO D810 touch』が登場し、現在に至ります。

まとめ

レーザー距離計のファインダーには、『デジタルファインダー』と『光学ファインダー』があります。外で使う方には必須のファインダーですが、両者の違いは明らかです。

ホームセンターなどに『Leica DISTO D510』の実機が置いてある場合は、お店の人にお願いし、ぜひ外に出て測ってみてください。(無い場合は、お店に依頼しましょう!)

室内では「こんなものか」と思われると思いますが、一度外で試すと、デジタルファインダーの威力を肌で体感できます。

Leica DISTO は、何を測定できる?

ライカのレーザー距離計 DISTOシリーズは、直線距離を測るだけではありません。様々なユーザーの多岐にわたる用途に合わせ、いろいろな場所を測定することができます。

測りたい対象物は何か、どこにあるのか。距離、高さ、高低差、幅、など、レーザー距離計で測れる場所を下記にまとめてみました。表のアイコンをクリックすると、機能解説ページに飛ぶようになっています。
※pdfファイルとして保存も出来ます。

用途に応じた製品ラインナップをしていますので、どの製品にしたらいいかわからない時は、お気軽にお問い合わせください。

※図はPDFファイルとして、こちらからダウンロードできます。

Leica DISTOシリーズの測定機能は、大きく2つに分けられます。

1. 直接測定 (本体からの距離測定)
2. 間接測定 (測定対象物の長さを「間接的=離れたところから」測定)

上図でいうと、長さ・距離、傾斜角、面積の3つが直接測定で、他は間接測定になります。

外で使う時には、レーザードットの視認性が急激に低下します。日中、晴れている場合は、レーザードットが見えませんので、どこを測っているかわかりません。それを補うものとして、4倍ズームのデジタルファインダー搭載モデルがありますので、そちらをお使いください。
詳しくは、『レーザー距離計は、外で使えない!と思っている方へ』をご覧ください。

同じ直接距離を測るといっても、過去のモデルと最新モデルでは、測距精度、測距スピードは雲泥の差があります。より精度が必要な仕事、仕事をスムーズに進めたいとお考えであれば、最新モデルの使用をお奨めします。

現在、販売されているモデルは、Leica DISTO X310 “以外” は、Bluetooth内蔵ですので、写真の上にメモができる専用アプリ『Leica DISTO sketch』がご使用いただけます。

Leica DISTO 専用アプリの使い方 第一歩

レーザー距離計で連続測定

ライカのレーザー距離計 DISTOシリーズは、測定ボタンを長押しすると、連続測定ができます。一旦連続測定モードにすると、ピッピッピッピッ、という音と同時に連続して測定します。最近は、

  • 何秒毎で連続測定しているんですか?
  • 1秒で測定できますか?

 

などというモニタリング用途のお問合せを数多くいただきます。

ソフトウェアを使うと、Windowsデバイスに測定値をBluetooth転送し、秒数を指定して測定することもできます。下記にまとめましたので、ご覧ください。

 

連続測定モードのスピード

連続測定の速さは、測定距離、測定する対象物によって変わります。レーザー距離計 DISTO D2 を使って、室内の白い壁、灰色のプラスチック、鉄板などを対象に、連続測定のスピードを比較してみました。
長距離は、測定スピードが遅くなります。

速度は、測定と同時に鳴るピッピッピッピッ、という音をお聞きください。(同じ距離を測定しているので、画面の数字はあまり変化しません。)

※ 仕様に記載してある精度は、シングル測距(ボタン1回押下、1回測定)を示します。連続測定の精度は、測距環境に依存します。(距離や対象物の反射度合い、周囲の光の環境等)

 

測定間隔を指定し、連続測定のデータ取得

Windows タブレット/ PC 用のソフトウェア「DISTO transfer」を使って、3秒ごと、5秒ごと、など間隔を指定して、連続測定することもできます。測定値は、Bluetooth で送ります。

レーザー距離計 とWindows PC を使って、3秒おきにExcelへ値を転送している動画があります。ご覧ください。

【DISTO D810 touch】

【DISTO D2】

ソフトウェア上では、最短1秒まで指定できますが、実際の測定では2-3秒間隔が最短となりますので、あらかじめご了承ください。

システム要件: Windows 8.1以上、Bluetooth 4.0 以上
ソフトウェア DISTO transfer: ダウンロード

対象レーザー距離計:

  • DISTO D1 New!
  • DISTO D110
  • DISTO D2 New!
  • DISTO D810 touch
  • DISTO S910

※ DISTO D510は、Bluetooth搭載モデルですが、この機能はあいにく使えません。レーザー距離計で測った値を1回1回転送すること、次に記載の連続測定モードの転送は可能です。

 

連続測定モードの値をリアルタイム転送

上記同様、Windows タブレット/ PC 用のソフトウェア「DISTO transfer」を使って、連続測定モードの結果をリアルタイムに転送する方法があります。秒数の指定はできず、すべての連続測定結果が転送されるわけでもありませんが、ご参考までにご覧ください。

※ 連続測定では、仕様に記載してある精度は保証しておりません。お客様ご自身でお試しいただき、ご判断いただけますようお願いいたします。

システム要件: Windows 8.1以上、Bluetooth 4.0 以上
ソフトウェア DISTO transfer: ダウンロード

対象レーザー距離計:

  • DISTO D1 New!
  • DISTO D110
  • DISTO D2 New!
  • DISTO D510

※ DISTO D810 touch / S910は、Bluetooth搭載モデルですが、この機能は使えません。

知る人ぞ知る!意外と使える足し算・引き算機能

ライカのレーザー距離計には、足し算、引き算機能付きモデルがあります。どの様に使うのでしょうか?

例えば、家の床面積を測りたい場合、正方形・長方形の場所ばかりではありません。下記のような場合は、凹みの場所を差し引くか、2つの長方形に分けて足すか、しないといけません。

area-DISTO

こんな場合に活躍するのが、足し算・引き算機能です。長方形から凹みの部分を差し引く方法で、面積を求めます。

DISTO-area-

測定手順は、下記の通りです。

  • 面積モードを呼び出し、1、2を測定
  • “-” ボタンを押し、3、4を測定
  • “DIST” ボタンを押すと、差し引かれた面積が表示される

DISTO-足し算-引き算-area-2

壁も同様に、1面からドアと窓部分を差し引けば、赤い部分の面積だけを求めることができます。

area-wall-disto

長方形の部屋の塗装面積を求めるために、実測している様子を撮影した解説付きのビデオがあります。

前半部分は、4方向の壁面を測って、最後に1度だけ高さを測ることで、壁面全体の平米数を算出する「ペインター機能」を使っています。

disto-bro-painter-function-ill-1203

その後に、「足し算・引き算機能」を使って、立方体の面積から、ドアと窓部分を差し引く、という作業をやっています。
ご覧ください。