カテゴリー別アーカイブ: 国際規格 ISO 16331-1

カタログに出てこない大切なコト

レーザー距離計の機能以外について、「これは何のことですか?」という問い合わせを受けることがあります。日本で販売するための前提となっているものが多く、カタログに明記されていない事項が多く存在します。

しかし、レーザー距離計の普及が進み、インターネットやホームセンターで一般消費者を対象にした低価格の距離計が増える中、この守るべき前提ルールが守られていない製品が増えているようです。

カタログや仕様書に明記されていないため、購入検討時に気が付かない方が多いようですので、参考資料を作成しました。
※図は、PDFファイルとしてダウンロードすることもできます。

画像のPDF版は、こちらからダウンロードいただけます。

一覧表の各項目について、以下に解説します。

 

RoHS(ロハス)

EUで2006年7月1日に施行された、有害物質の電気・電子機器への使用を制限する指令です。

有害物質とは、鉛、水銀、カドミウム、六価クロム、PBB、PBDEの6物質です。

RoHS指令(DIRECTIVE 2002/95/EC OF THE EUROPEAN PARLIAMENT AND OF THE COUNCIL of 27 January 2003 on the restriction of the use of certain hazardous substances in electrical and electronic equipment)

弊社HPの各製品ページから、「リサイクリング・パスポート」という名称で、製品に使われているすべての素材と重量を明記したドキュメントをダウンロードいただけます。

 

ISO 16331-1

測距精度と範囲を規定した唯一の国際規格 ISOです。レーザー距離計には、日本工業規格(JIS)のような規格は存在しないため、仕様書に書いてある精度は、各製造メーカー毎の「自主基準による精度」がほとんどです。

詳しくは、『レーザー距離計 唯一の規格 “ISO 16331-1″』をご覧ください。

 

計量法

国際度量衡総会で決議された国際的に合意された単位系である国際単位系(SI又はSI単位と呼ばれる)で、長さに関しては、「メートル(m)」が、計量単位/標準となるべき単位記号となります。

日本では、インチやフィートなど、メートル以外の単位が表示される製品は、一部の特殊例を除いて販売が禁じられています。

詳しくは、『計量法: レーザー距離計に表示可能な法廷単位はメートルのみ』をご覧ください。

 

電波法

無線通信の混信や妨害を防ぎ、また、有効希少な資源である電波の効率的な利用を確保するため、無線局の開設は原則として免許制です。

Bluetooth/WLAN内蔵製品は、電波法に基づく基準認証を受け、総務省令で定める表示(技適マーク)が付される必要があります。

その場合には、免許手続時の検査の省略等の無線局開設のための手続について特例措置が適用されます。

 

PSC (消費経済製品安全法/携帯用レーザー応用装置)

業務用・一般用の区別なく、経産省に届出をし、レーザーの安全性に関する国の技術基準に適合した製品に貼付されるPSCマーク対象製品です。PSCマークのない製品は、販売を禁止されています。

詳しくは、『レーザー距離計のレーザーの安全性: PSCマークって何?』または、『消費生活用製品安全法 (PSCマーク) レーザー距離計のレーザーの安全性』をご覧ください。

レーザー距離計 Leica DISTO – ロバスト性 (堅牢性)?

Robust – ロバスト性 / 堅牢性: 条件・環境が変わっても本来の性能を発揮する頑強さ

レーザー距離計が使用される現場は、使用環境によって大きく変わります。わかりやすい例が、「屋内か屋外か」、つまり周囲の光の加減です。また、測定対象物の反射度合いも大きな要因の一つです。ライカ ジオシステムズでは、常に製品の改良を進め、

  • 測距精度の大幅向上
  • 測距精度の安定性 (信頼性の高い測距結果)
  • 屋外測距可能距離の大幅伸長

などを独自の技術によって実現してきました。

しかし、こうした説明は、メーカーの独りよがりのコメントと見られてしまうこともあります。

これらの性能は「現場で使えばわかる」のですが、カタログ上ではどうしても表現がしきれません。海外では、Leica DISTOの測距性能を “Robust” ということばで表現され、エンドユーザーからの多くの評価を得てきました。

この「ロバスト(Robust)」という言葉は、英語辞典(研究社 新英和中辞典)で調べてみると、「強健な,たくましい,がっしりした」という意味が出てきます。なんとなくわかりますが、レーザー距離計にどうあてはまるか、よくわからないのが本音だと思います。

それでは、実用日本語表現辞典 (http://www.practical-japanese.com/) では、どのように説明されているでしょうか。

「ロバスト性: 外的要因による変化を内部で阻止する仕組みや性質などを意味する表現。ロバストネスとも言う。」という解説です。この説明を見ると、かなりしっくりしてきます。

レーザー距離計に当てはめて考えてみると、「測距条件、測距環境が変わっても本来の性能を発揮する頑強さ」ということができます。

ライカ ジオシステムズは従来より、非常に厳しい社内規定に基づき、測距を定義してきました。しかし、それは外部の方からはわかりにくく、
「レーザー距離計はどれも同じようなもの。」
「カタログスペックに書いてある条件も同じ。」

という解釈をする方がでてきてしまいました。そのため、第三者がわかる規定として、レーザー距離計の測距と範囲を規定した唯一の規格ISO 16331-1が策定されました。

レーザー距離計には、日本工業規格(JIS)のような規格は存在せず、守るべき基準はありませんでした。そのため、各メーカーが「自己基準」で生産され、精度基準が異なる製品が市場に出回ってしまっています。レーザー距離計の測距精度と範囲を見極めることができる規定は、ISO規格 16331-1 のみとなっています。

 

こちらの記事も合わせてご覧ください。

レーザー距離計 唯一の規格 “ISO 16331-1”

 

PROTECT by Leica Geosystems: 3年保証 (購入日より/要Web登録)

レーザー距離計 Leica DISTOのロバスト性は、新品時のみ確保されているのであれば、市場からのクレームが多くなってしまいます。ライカ ジオシステムズでは、長く製品を使用できるための「堅牢性」も考慮した製品設計もしてきています。それは、2年間とう長い製品保証(Web登録時は、3年に期間延長)として実現されています。

 

レーザー距離計 唯一の規格 “ISO 16331-1”

「レーザー距離計はどれも同じでしょ。」

よく聞かれる話です。

本当でしょうか。

レーザー距離計は、鋼製巻尺やコンベックスのようにJIS規格が存在しません。また、レーザーをつかって非接触で測定をする機器ですので、プロユーザーが選択する「JIS1級」を適用することもできません。

ライカ ジオシステムズは、1993年に世界で初めてレーザー距離計を発表、以来、改良を加えながら、現在に至っています。

しかし、レーザー距離計の市場が拡大するに従い、多くのメーカーの参入の増加とともに、レーザー距離計の一番大切な仕様である「測距精度」が各メーカーごとに異なる事態に陥ってしまいました。

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では、レーザー距離計がどれも「同じでない」と言えるのは、どうしてでしょうか。

レーザー距離計の精度と測定範囲は、周囲の明るさ状況と、測定対象物の反射性に影響されます。特に太陽光はレーザー距離計の仕組み上、多くの悪影響を及ぼします。このことは、実際に屋外で測定をした経験がないと実感がないかもしれません。

通常、購入時には室内で製品の動作を試したり、インターネットで購入される場合は、カタログの表記スペック比較で製品選定をすることが多いためです。

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ライカ ジオシステムズは、測量機器メーカーとして長年の経験やノウハウを蓄積してきました。実際に使用されるユーザーにとって大切なことは、見た目のよいカタログスペックではなく、実際の測定現場で正しい数値を出す製品を使用すること考えています。つまり、測定条件が整った研究室の中だけでなく、日常業務でお使いのあらゆる現場で正しく機能する製品を製造、販売すること前提に、製品開発を続けることが何よりも優先されることと考えています。

また、このようなお話しも聞くことがあります。

「距離だけ測れればいいから、安価なモデルでいい。(どれを選んだらいいかわからない。)」

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信頼のおける測距精度を表示する製品でなければ、仕事に支障が出てしまいます。

たとえば、作業の出戻りは、工期が厳しく管理される建築、建設現場では致命的です。製品構造やレーザーの色、周囲の明るさの程度や測距対象の温度などは、レーザー距離計の精度と測距可能範囲(測距エラーが出ない範囲)に大きな影響を及ぼす重要な要素です。

しかし、上述の通り、要素・条件に関する明確な基準はなく、各メーカーの自社基準によって製品が製造されているのが現状なのです。そのため、使用者が増え続けるレーザー距離計を選択する際に、製品比較が出来ないという状況が続いています。

また、誤解を招く表現や不正確なデータに基づいた情報が市場に増え続けることは、レーザー距離計自体への不信感を増長し、また、実際の測距時の重大な測定エラーを引き起こしかねる可能性を否定できません。

このような社会的背景、ユーザーや流通業者からの要望を踏まえ、レーザー距離計の新しい国際規格 “ISO 16331-1” (レーザー距離計の測距精度と測距範囲の試験基準) が策定されました。

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本規格によって、第三者的視点に立ったレーザー距離計のスタンダードが出来、製品の品質評価や比較が可能になりました。本規格に準拠していない製品との比較は、評価基準としての「ものさし」が異なりますので、たとえ、カタログスペックが似通っていたとしても、正しい評価をしていると言うことができません。

ISO 16331-1には、精度や測定範囲に関わる情報をどのように示すべきか、測定手順はどうすべきかが詳細に定義されています。(参照: レーザー距離計 ISO 16331-1)