カテゴリー別アーカイブ: コンプライアンス (法令等遵守)

Leica DISTOとEMC (電磁両立性)

EMC(電磁両立性)???

近年、電子機器から発生する電磁波が問題となり、製品が「EMC(電磁両立性)」試験をクリアしているかは、社会的に重要なこととなっています。

ライカのレーザー距離計は、多くの工具、機器がある建築現場、住宅やビルのリフォームやリノベーション、オフィスの改装、公共機関の建造物(たとえば、病院、公官庁など)の改修・メンテナンス調査、工場、研究開発施設、官公庁の業務で採用されていますので、EMC試験に合格した製品作り、販売をしてきました。

しかし、EMCに関して、上記のような使用環境があるにも関わらず、日本ではほとんど考慮されずに、販売、購入されているのが現状です。

企業倫理にも関係するかもしれませんが、現在、インターネットやホームセンターで販売されているレーザー距離計の中には、EMCについて、マニュアル等に何も記載されていないレーザー距離計が、安価な価格で販売されているのが多数見られるのも事実です。

まずは、EMCの概略を記した下記図をご覧ください。

 

そもそも、EMCとはなにか?

ですが、わかりやすい説明が検査機関新規の一つであるUL Japan社のホームページに記載されているので、ご案内します。

『近年、家庭や工場において電子機器が多数使用されるようになり、電子機器から発生する電磁波が他の電子機器に妨害を与える問題が起きています。このような妨害を電磁波妨害(EMI : Electromagnetic Interference)と呼びます。世界各国では、EMIに対して各種の規制を設けています。
一方、その電子機器がどれだけ外部からのノイズに耐えられるかも重要になってきています。これをノイズ耐性(イミュニティ : Immunity)と呼び、電子機器の電磁感受性(EMS: Electromagnetic Susceptibility) とも呼ばれています。

このように電子機器には、ノイズ源となって他の電子機器に影響を与える可能性と、周囲の電子機器が発生するノイズの影響を受ける可能性の二面性があります。これらは、どちらか一方だけの対策を行えばよいというものではなく、両者のバランスが大切です。

電子機器が電気で動作している以上、周囲に電気的ノイズが発生するのは当然であり、動作速度が高速化すればするほど、ノイズの発生は増大します。これらのノイズは、対策を施して低減させることになりますが,、電子機器自身の耐ノイズ性を高めることができれば、多少のノイズがあっても正常に動作することが可能となります。

機器などの動作を妨害するような電磁妨害波をいかなるものに対しても与えず、かつ、電磁環境の妨害に耐えて満足に機能するための装置あるいはシステムの能力をEMCといいます。』(参照: UL Japanホームページ)

つまり、EMC(電磁両立性)の試験は、EMI(電磁波妨害)とEMS(電磁感受性)の両方の基準をクリアしていなければならず、製品を開発する上で、市場で販売する上で、避けて通れないこととなっています。

ライカ ジオシステムズでは、どのレーザー距離計を選ぶべきか迷った時は、EMCの記載がマニュアルにあるかどうかも注意して使用することを推奨しています。(ライカの製品は、全てEMCの試験に合格しています。)

カタログに出てこない大切なコト

レーザー距離計の機能以外について、「これは何のことですか?」という問い合わせを受けることがあります。日本で販売するための前提となっているものが多く、カタログに明記されていない事項が多く存在します。

しかし、レーザー距離計の普及が進み、インターネットやホームセンターで一般消費者を対象にした低価格の距離計が増える中、この守るべき前提ルールが守られていない製品が増えているようです。

カタログや仕様書に明記されていないため、購入検討時に気が付かない方が多いようですので、参考資料を作成しました。
※図は、PDFファイルとしてダウンロードすることもできます。

画像のPDF版は、こちらからダウンロードいただけます。

一覧表の各項目について、以下に解説します。

 

RoHS(ロハス)

EUで2006年7月1日に施行された、有害物質の電気・電子機器への使用を制限する指令です。

有害物質とは、鉛、水銀、カドミウム、六価クロム、PBB、PBDEの6物質です。

RoHS指令(DIRECTIVE 2002/95/EC OF THE EUROPEAN PARLIAMENT AND OF THE COUNCIL of 27 January 2003 on the restriction of the use of certain hazardous substances in electrical and electronic equipment)

弊社HPの各製品ページから、「リサイクリング・パスポート」という名称で、製品に使われているすべての素材と重量を明記したドキュメントをダウンロードいただけます。

 

ISO 16331-1

測距精度と範囲を規定した唯一の国際規格 ISOです。レーザー距離計には、日本工業規格(JIS)のような規格は存在しないため、仕様書に書いてある精度は、各製造メーカー毎の「自主基準による精度」がほとんどです。

詳しくは、『レーザー距離計 唯一の規格 “ISO 16331-1″』をご覧ください。

 

計量法

国際度量衡総会で決議された国際的に合意された単位系である国際単位系(SI又はSI単位と呼ばれる)で、長さに関しては、「メートル(m)」が、計量単位/標準となるべき単位記号となります。

日本では、インチやフィートなど、メートル以外の単位が表示される製品は、一部の特殊例を除いて販売が禁じられています。

詳しくは、『計量法: レーザー距離計に表示可能な法廷単位はメートルのみ』をご覧ください。

 

電波法

無線通信の混信や妨害を防ぎ、また、有効希少な資源である電波の効率的な利用を確保するため、無線局の開設は原則として免許制です。

Bluetooth/WLAN内蔵製品は、電波法に基づく基準認証を受け、総務省令で定める表示(技適マーク)が付される必要があります。

その場合には、免許手続時の検査の省略等の無線局開設のための手続について特例措置が適用されます。

 

PSC (消費経済製品安全法/携帯用レーザー応用装置)

業務用・一般用の区別なく、経産省に届出をし、レーザーの安全性に関する国の技術基準に適合した製品に貼付されるPSCマーク対象製品です。PSCマークのない製品は、販売を禁止されています。

詳しくは、『レーザー距離計のレーザーの安全性: PSCマークって何?』または、『消費生活用製品安全法 (PSCマーク) レーザー距離計のレーザーの安全性』をご覧ください。

PSCマークって、何?

レーザー距離計 Leica DISTOシリーズの機能に関する問合せと同時に多いのは、

「レーザーは危なくないのですか?」
「レーザーは安全ですか?」

といったレーザーの安全性に関する内容です。

距離を測る仕事は、周囲に人がいない無人環境で実施できることは稀ですので、レーザーの安全性について心配されるのは、当然の話です。

建築業務であれば、下記の場合に現地調査をします。

  • リフォームの見積
  • ビルメンテナンスの見積
  • 大きなリノベーションの見積
  • オフィスや店舗の改装

その時に、子供を含めた通行人、リフォームであれば、室内での計測が多くなりますので、周りに人がいる環境での測定作業となります。

工場内の設備管理等で使用される場合でも、数名の作業員がいる中で行われることが多いです。

今回は、レーザーの安全性について国が定めている「PSCマーク」について、分かりやすく図にしてみました。
※図は、pdfファイルとして、こちらからダウンロードできます。

 

PSCマークとIEC/JIS

JISのクラス分けに関する序文では、『レーザビームは,波長,エネルギー,パルス特性に対して考え得る範囲が広いため,その使用により生じる危険性は幅広く変化する。したがって,レーザを共通の安全限界が適用できる単一のグループとしてみなすことは不可能である。』としており、クラスがいくつかに分けられています。

Leica DISTOシリーズのレーザークラスは、「クラス2」です。

クラス2に関しては、JISで以下のように定められています。

『クラス2:まばたき反射を含む回避行動によって目が保護される400 nm~700 nm の波長範囲の可視光を放出するレーザ。この回避行動は,ビーム内観察用の光学器具の使用を含めた合理的に予見可能な運転条件下で,十分に目を保護する。』

また、JISの表示についてJISでは、『レーザ製品の正しいクラス分けを行うのは,製造業者又はその代理業者の責任である。』と規定しています。

では、消費生活用製品安全法では、レーザーの安全性について国の基準が規定されているため、技術基準適合の試験を受け、合格しなければ、レーザークラスの表示をするだけでは、本法律の要件を満たしません。

ライカ ジオシステムズでは、消費生活用製品安全法に基づき、経済産業省への届出を行い、 レーザーの安全性の技術基準適合義務を果たした製品を出荷しています。

レーザーの安全性については、下記のリンクをご参照ください。

消費生活用製品安全法 (PSCマーク) レーザー距離計の「レーザー安全性」

計量法: 表示可能な法定計量単位はメートルのみ

ライカ レーザー距離計 DISTOシリーズは、世界中で販売されていますが、ライカ ジオシステムズ日本法人が正規に販売している製品は、表示単位をメートルのみに設定したものです。インチ・フィートなどの計量法に規定された法定計量単位以外の表示は出ません。

日本では、計量法により、メートル及びその10の整数乗(センチメートル等)以外の表記をしたものを販売することは、原則できないことになっています。計量法違反の場合は、罰金刑が定められています。

以下に、詳しく見ていきましょう。

 

「長さ」の法定単位は「メートル」

計量法では、「長さ」の法定単位は「メートル」と定めています。(同法第3条、別表1)

原則としてメートル及びその10の整数乗(センチメートルなど)の単位以外の表記はできず(同法第5条第1項)、法廷単位との兵器や参考値としての記載であっても認められておりません。

インチ・フィートなど、主にアメリカ合衆国で採用されている単位の表示は、認めないということです。

 

メートル表記以外の製品は、陳列も禁止

長さを計測する機器で、メートル以外の目盛又は表記があるものを販売し、または販売目的で陳列することは、原則として禁止されています。(同法第9条1項)

インチ・フィート表示の製品、またはその切り替えが可能な製品を、販売することはもちろん、お店に並べるだけでも計量法に抵触する可能性があります。

インターネットやホームセンターで販売されているレーザー距離計の中には、計量法に抵触すると思われる製品がみられます。また、弊社DISTOシリーズの並行輸入品は、計量法に抵触しますので注意をしてください。

尚、ライカ ジオシステムズ日本法人では、並行輸入されたレーザー距離計 DISTOシリーズについて、保証等のアフターサービスは行っておりません。品番等により、日本での正規販売品か否かは、判別可能です。ご購入の際は、十分ご注意ください。

 

違反した場合は50万円以下の罰金

同法第9条第1項の違反については、50万円以下の罰金が定められています。(同法173条)

 

例外

ヤードポンド法による目盛または表記のある計量器については、以下の場合、例外として販売が認められています。(計量法附則第9条第2項、計量単位令第12条)

イ 次に掲げる計量に用いる計量器で、経済産業大臣の承認を受けたもの。(ただし、自衛隊が用いるものにあっては、経済産業大臣に届け出たもの)

(1) 航空機の運航に係る計量
(2) 航空機による運送に係る計量
(3) 航空機及び航空機用機器並びにこれらの部品に係る計量
(4) 航空機の運航に関する気象、地象又は水象に係る計量

ロ 自衛隊が武器の一部として使用する計量器。(計量法第2条第4項に定める特定計量器である場合にあっては経済産業大臣に届け出たものに限る)

ハ 国、地方公共団体、独立行政法人又は製造事業者がイ又はロに掲げるものの検査に用いる計量器。(地方公共団体又は独立行政法人が用いるものにあっては経済産業大臣に届け出たものに、製造事業者が用いるものにあっては経済産業大臣の承認を受けたものに限る)

 

まとめ

ライカ ジオシステムズでは、計量法を順守し(インチ・フィート表示をしないように設定)、販売をしています。法定計量単位以外が表示できるレーザー距離計は、計量法に抵触する可能性があります。ご購入の際は、お気を付け下さい。

計量法に関するご質問、ご不明点は、下記へ直接お問い合わせください。
経済産業省 産業技術環境局 計量行政室
電話:03-3501-1688(直通) FAX:03-3501-7851
受付時間:9時30分~12時00分 13時00分~17時00分(平日のみ)

http://www.meti.go.jp/policy/economy/hyojun/techno_infra/14_gaiyou_ryoumoku.html

レーザー距離計 Leica DISTO – ロバスト性 (堅牢性)?

Robust – ロバスト性 / 堅牢性: 条件・環境が変わっても本来の性能を発揮する頑強さ

レーザー距離計が使用される現場は、使用環境によって大きく変わります。わかりやすい例が、「屋内か屋外か」、つまり周囲の光の加減です。また、測定対象物の反射度合いも大きな要因の一つです。ライカ ジオシステムズでは、常に製品の改良を進め、

  • 測距精度の大幅向上
  • 測距精度の安定性 (信頼性の高い測距結果)
  • 屋外測距可能距離の大幅伸長

などを独自の技術によって実現してきました。

しかし、こうした説明は、メーカーの独りよがりのコメントと見られてしまうこともあります。

これらの性能は「現場で使えばわかる」のですが、カタログ上ではどうしても表現がしきれません。海外では、Leica DISTOの測距性能を “Robust” ということばで表現され、エンドユーザーからの多くの評価を得てきました。

この「ロバスト(Robust)」という言葉は、英語辞典(研究社 新英和中辞典)で調べてみると、「強健な,たくましい,がっしりした」という意味が出てきます。なんとなくわかりますが、レーザー距離計にどうあてはまるか、よくわからないのが本音だと思います。

それでは、実用日本語表現辞典 (http://www.practical-japanese.com/) では、どのように説明されているでしょうか。

「ロバスト性: 外的要因による変化を内部で阻止する仕組みや性質などを意味する表現。ロバストネスとも言う。」という解説です。この説明を見ると、かなりしっくりしてきます。

レーザー距離計に当てはめて考えてみると、「測距条件、測距環境が変わっても本来の性能を発揮する頑強さ」ということができます。

ライカ ジオシステムズは従来より、非常に厳しい社内規定に基づき、測距を定義してきました。しかし、それは外部の方からはわかりにくく、
「レーザー距離計はどれも同じようなもの。」
「カタログスペックに書いてある条件も同じ。」

という解釈をする方がでてきてしまいました。そのため、第三者がわかる規定として、レーザー距離計の測距と範囲を規定した唯一の規格ISO 16331-1が策定されました。

レーザー距離計には、日本工業規格(JIS)のような規格は存在せず、守るべき基準はありませんでした。そのため、各メーカーが「自己基準」で生産され、精度基準が異なる製品が市場に出回ってしまっています。レーザー距離計の測距精度と範囲を見極めることができる規定は、ISO規格 16331-1 のみとなっています。

 

こちらの記事も合わせてご覧ください。

レーザー距離計 唯一の規格 “ISO 16331-1”

 

PROTECT by Leica Geosystems: 3年保証 (購入日より/要Web登録)

レーザー距離計 Leica DISTOのロバスト性は、新品時のみ確保されているのであれば、市場からのクレームが多くなってしまいます。ライカ ジオシステムズでは、長く製品を使用できるための「堅牢性」も考慮した製品設計もしてきています。それは、2年間とう長い製品保証(Web登録時は、3年に期間延長)として実現されています。